【親子】増大する子どもの”うつ”サインを見逃さないために出来ること
例年、子どもの自殺者数が最も多い時期とされているのが夏休み明けた頃です。
厚生労働省の調査では2020年の小中高生の自殺者数が499人となり、統計をとりはじめて20年間で最も多い年でした。
特に社会的情勢で休校や夏休みの延長が増えているこの1・2年は子どもの心にも多くストレスがかかっています。
不安を多く抱え”うつ”状態になってしまうお子さんも少なくありません。
子どもの小さなサインを見逃さないよう、親が出来ることとはどのようなことでしょうか。
「学校に行きたくない」を軽視しない
夏休み明けは、自殺者だけでなく不登校が始まるお子さんも多い時期です。
例えば以前に学校で嫌な思いをした・いじめにあっているという場合、二学期が始まることでまた苦しい思いをするのが想像出来るため、登校前になるとお腹が痛くなったり身体に異変が出ることも。
子どもが「学校に行きたくない」と言い出したら、単に面倒くさいだけでしょう?と片付けることはやめてあげるべきです。
中には言葉で「行きたくない」と言えない子もいます。
本当に苦しい想いをしていれば態度や体調・言葉の端々にそれが表れることも多いため、お子さんの普段との変化に気がついてあげられるよう、様子をしっかりと見つめてあげましょう。
感情や身体の変化を察知してあげよう
ほぼ一日中ゆううつな気分が続き気力が起きないことが2週間以上続く場合には、うつ病である可能性も出てきます。
無気力な中でも”このままではいけない”と焦る気持ちがあり、怒ったり泣いたりと感情の起伏が激しくなることも。
心が不安定になるということは自律神経が乱れているため、身体にもほぼ必ず影響が出てきます。
眠れない・または眠りすぎる、食欲の低下・もしくは異常に食べる、身体のだるさや頭痛・吐き気などが出ることも。
症状は午前中に強く出るケースが多いとされているため、複数のものが確認出来る場合は早めに心のケアを考えてあげる必要があるかもしれません。
※参考:厚生労働省10代、20代メンタルサポートサイト「こころもメンテしよう〜家族のみなさんへ〜」
「TALKの原則」を実践しよう
うつ病と診断されていなかったとしても、もしも子どもから「死にたい」と打ち明けられた時にはどう接してあげれば良いのでしょうか。
文部科学省では「TALKの原則」というものを発表しています。
(1)Tell:言葉に出して心配していることを伝える。
(2)Ask:「死にたい」という気持ちについて、率直に尋ねる。
(3)Listen:絶望的な気持ちを傾聴する。
(4)Keep safe:安全を確保する。
子どもが精神的に不安定になっていることを感じたら、まずは本人が感じている孤立感を取り除いてあげられるよう、寄り添い傾聴した姿勢でいることが大切です。
また安全を確保することとして、学校が原因で不安感を強く持っている時には登校させない選択も重要です。
精神的・肉体的な安全を確保出来るようその原因場所からは遠ざけ、また自殺の危険性が高い緊急時には目を離さず見守ってあげることが必要です。
まさか自分の子どもは大丈夫と思っていても、心が不安定になるきっかけは様々なところにあるものです。
早い段階で子どもの心のバランスが乱れていることに気がついてあげられれば、うつの悪化や自殺を食い止めることが出来るかもしれません。
変化が起こりやすい季節、改めて子ども達の気持ちに寄り添った生活を意識していきたいものです。